近年、冷凍保存の技術が飛躍的に高まり、物流網の発達とあわせて、お肉やお魚を新鮮な状態を保ったまま冷凍することが可能になり、場所や時期を選ばずいつでもおいしく食べることができるようになりました。
せっかくのおいしい素材、解凍のコツをおさえて便利で豊かな食卓にお役立てください。
野菜やお米と同じで、お肉も急激な温度変化が一番よくありません。凍ったものをそのまま常温に戻してしまうと、お肉の中の細胞が壊れて、旨味が流れ出てしまいます。まずは冷蔵庫に移して、じっくり解凍、これが鉄則です。薄切りのお肉であれば、少しずつはがして冷蔵庫に移せば1時間ほどで調理ができるようになりますよ。
バラ凍結肉は便利ですが、これは「そのまま調理できる肉」ではありません。通常のお肉と一緒で、凍ったまま調理してしまうと、一気に細胞が壊れ、旨味が肉汁と一緒に流れてしまいます。
挽き肉のバラ凍結であれば、使う分だけ取り出して、なるべく平らなバットやお皿の上に並べ、ラップをして冷蔵庫に移してください。こうしておけば、30分程度で解凍され、おいしい炒め物に活躍します。
解凍編
冷凍で届く鶏肉は、じっくり解凍するのが旨味を逃さない最大のポイント。できれば前日から冷蔵庫に移してじんわり解凍。できない時はパックごと15分ほど流水にさらして解凍します。
下処理編
レバーの匂いが苦手な方はていねいな下処理を。流水で血合を洗い流し、15分程度牛乳に漬けこみます。さらに流水で洗い流してから調理。生姜の香りを利かせて煮込むのも有効です。
解凍のポイント
- 大き目の皿に打ち塩をし、凍ったままの切り身を載せます。
- さらに上から打ち塩をします。1にラップをかけ、冷蔵庫に30分間入れます。
- 30分経ったら軽く水で洗って塩を落とし、味付けのための塩を軽く振り、焼きます。
- 凍ったままの切り身に塩を振ることで、塩が魚の臭みを吸収してくれます。焼く前に洗い流すことを忘れないでください。
皿に打ち塩をしたら、皮を上にして載せます。塩を身にすりこまないように。
洗い流していよいよ調理。フィレなどの解凍にも応用できます。
解凍のポイント
- 40℃に温めたお湯1Lに塩を30g 加えます。
- パックから出したまぐろを1に約30秒漬けます。
- ペーパーで水気をおさえたら、ラップをして冷蔵庫に20分間入れておきます。半解凍の状態で切り、皿に盛ります。
海水濃度と同じ塩分を与えてやると、塩が膜をつくってくれ、旨味が逃げません。
解凍のポイント
- 真空パックのまま5分間流水にさらします。
- パックから出さず、そのまま10分間冷蔵庫に入れます。
- 10分経ったら冷蔵庫から出し、半解凍のままスライスします。
半解凍の状態で切ると失敗がありません。食べるまでに、冷蔵庫でゆっくりと溶かしてください。
解凍のポイント
- 袋から出し、冷蔵庫に移して30分ほど経ったら焼きます。
- 時間がないときは、凍ったまま焼いても大丈夫です。
その際は魚の皮がグリルなどにくっつかないように、軽く油を塗っておくと失敗がありません。
冷凍庫から出したての硬い状態でも、そのままグリル、オーブンで調理できます。
冷蔵庫に移しておけば、さらに焼き時間を短縮でき、ふっくら仕上がります。
解凍のポイント
- パックのまま5分間、流水にさらします。
- 冷蔵庫に移し、20分間おきます。
- パックから出し、余分な味噌はふき取ってから焼きます。
水で洗わないようにしてください。 - 時間がある時には、食べる前日に冷凍庫から冷蔵庫に移しておきましょう。
流水解凍については、パックをシンクにおいて、水を当てる方法でも構いません。
余分な味噌を残しておくと、焦げの原因になります。適度にペーパーで抑えてください。