古くから保存食として主にヨーロッパで作られてきたハム。豚肉をスモークする前に味付けをする方法は2種類。香辛料を煮出した漬液(ピックル液)に漬ける湿えん法と塩やスパイスを肉に直接すりこむ乾えん法があります。
今回は家庭でも作りやすい乾えん法で作りました。最初は大きな肉の塊。これがどうやってハムになるのかしら?
- たこ糸(1.4mm、少し太め)
- セロファン
- スモーク用チップ(国産さくら等)
豚肉(もも) | 500g |
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砂糖 | 10g |
玉ねぎ | 15g |
にんにく | 5g |
生姜 | 5g |
ローズマリー | 1本 |
酒、みりん | 各小さじ1 |
塩(「海の精」など) | 20g |
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白胡椒 | 大さじ1 |
シナモン、ナツメグ | 各小さじ1 |
ハムの作り方
塩漬けと香付け1日目
材料は計量して香辛料は合わせ、野菜は刻んでおきます。肉の温度が上がりすぎないよう手早く、がポイント。
砂糖 | 塩とスパイス |
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肉に砂糖をすりこみます。脂の厚い部分は少し多めに、側面にもしっかりなじませて。 | 砂糖がなじんだら、混ぜ合わせたスパイスAを肉にすりこみます。脂の部分はやや多めに。 |
香味野菜とハーブ | 酒とみりん |
にんにくと生姜のみじん切り、茎から取ったローズマリーの葉を混ぜ合わせ、全体に押さえるようにまぶします。 | 保存袋に肉を入れ、酒、みりんをなじませます。加えることで、味がまろやかになり、肉も柔らかくなります。 |
ねかせる | |
保存袋の空気を抜いて、 1週間ほど冷蔵庫でねかせます。1日1度、肉をひっくり返すと味がよく馴染みます。じんわりと旨味をしみこませます。 |
スモーク1週間後
スモークは、香り付けだけでなく殺菌と保存効果が高まります。専用のスモーク鍋がない場合でも大きめの中華鍋と蓋、網などでも応用できます。スモーク用チップ、たこ糸、セロファンも用意して。
塩抜き | 旨みを密封 |
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肉を取り出し、香辛料などを除いてたっぷりの水に入れ、2~3時間塩抜きします。しっかり味がついているので薄味好みの方は長めにつけます。 | 清潔なキッチンペーパーなどで水をふきとり、セロファンで包みます。後で煮る時に水が入らないように、とにかくピッチリ。肉が丸くなるよう手でぎゅっと形を整えます。 |
たこ糸で縛る | 形を整える |
肉の形を整えます。セロファンの両端を包み紙状にひねり、たこ糸できつく縛ります。余分なセロファンと糸を切り取り、たこ糸で輪を作ったら、輪の中に肉を通してぐるぐると巻いていきます。たこ糸はセロファンと同じ方向に巻くのがコツ。 | 最後に縦方向にぐるりと縛って留めます。ゆるまないよう、キチッと固定されていれば大丈夫!一気にハムらしくなりました。 |
くん煙 | |
スモーク用チップをひとつかみほど鍋に入れ、加熱します。煙が出始めたら網の上に肉を入れ、内部が75℃以上にならないよう、ゆっくり加熱。それ以上の高温になると肉が固くなってしまいます。中火にして火の様子を見ながら4~5時間。キッチンで作業する場合は、換気しながら待ちましょう。 |
仕上げ
中温でゆっくり加熱がコツ。この温度で肉の柔らかさが決まります。冷却用の氷も準備!
ボイル | 冷却 |
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深めの鍋に湯をわかし、70℃くらいになったら肉を入れます。ここでも75℃以上にならないよう注意。70℃を越えたら火を止めてしばらく放置、を繰り返し1時間ほど加熱します。じっくり中まで火を通しましょう! | ボウルに用意した氷水に入れます。急に冷やすことで身が引き締まります。中まで冷たくなるよう約30分。水から出し、セロファンを取り除く。 |
できあがり | |
保存料など入っていないので、できるだけ早めに食べきってくださいね。 |